昨年春から今冬にかけての長い期間の出来事です。 - よって仕事外長編
家犬「オノミチ」を中央公園を最終目標に散歩するのが日課ではあります。
あるとき、中央公園の岩陰に一匹の野犬がいるのを発見しました。
考えれば、今連れているこの「オノミチ」もこの犬と紙一重。野犬上がり。
可愛そうにも感じつつも、近づきかけたら…逃げる…臆病な奴です。
なぜかは良く分かりませんが…犬なのにオノミチはその犬の存在に一向に気付かない…。
という日々を一ヶ月程続けたある日。
林にオノミチが走って突っ込んで行き、そこでその犬とばったり鉢合わせ…。それを境に…その瞬間から、互いに魅かれたか、態度が急変。オノミチと僕の周りをぐるぐる回り続け、オノミチは8mある伸縮するリードをめいいっぱい使い、野犬と激しくじゃれあい続ける。
見るとメス犬です。
帰るに帰れなくなり一時間程遊ばせ、帰りだすと…ついては来ますが…中央公園からは出ず…悲しそうに「オノミチ」を見送る。
それ以降、中央公園に行くと、…それまでは、ひっそり隠れているのでしょう…ものすごい遠くから…ものすごいスピードでオノミチ目掛け走ってくる。二人はじゃれ合い…僕は15分程で帰路につく。そして、毎回悲しそうに「オノミチ」を見送る。そんな日々を繰り返す羽目に。
よく見ると、この犬…TV番組「建物探訪」の渡邊篤に似ている…という事で「わた子」と命名し、オノミチの夜這い相手となる。今思えば、「あつ子」で良かった気もするが…。
この出会いを機に…恐ろしさも相まり、オノミチ・避妊手術。蚤よけ薬塗布。
「わた子」は僕には、まるで興味を示さず…その上、少しでも距離が縮まると…逃げる。
さすがに家にも連れて帰れないし…寄っても来ないのでそもそも無理。
毎日会わすのもどうかと思い…散歩コースにバリエーションを増やし、「3日に一度の中央公園」に変更はしましたが、行く度、この調子。
これも、2ヶ月程、続けました、
が…夏も終わろうかという、ある日、「わた子」が行っても、出てこない。走ってこない。
こんな日もいつか来るだろうとは思っておりましたが、保健所にでも…。どうしようも無く…悲しく思いましたが。
ふと、オノミチを見ると、地面の匂いを嗅ぐのに一所懸命で、あまり気にしていなそうなので、「まあいっか」と思い、普通の散歩・日常に帰りました。
・・・・
それから2ヶ月程たって…続き。…
ある日、中央公園でいつもの様に散歩していると…遠くから、ものすごい勢いでやってくる影あり。
「わた子」です。
「オノミチ」も分かっているかどうかは不明だが、…一先ず大興奮状態。
二人は2ヶ月のブランクを感じさせない程の親密ぶり、「わた子」が覚えている事にも驚きます。…が…2ヶ月程、何をやってたのだろうという疑問。
少し太ったな。という印象、というより、お腹だけが太っている…という事で…。
妊娠しています。今にも出そうなぐらいな雰囲気。
単なる遊び相手だった「オノミチ」…。
だが、そんなことより、相当まずいな。なんて考えつつ、僕は呆然と二人がはしゃぐのをただ見ている複雑な状態。生まれた子犬を発見してしまったケースも想定し、家族にも相談。あーだこーだと悩みます。
だがしかし、その次の日以降、「わた子」を見たことは、ありません。
もう、4ヶ月になります。続きはなさそうなので今更ブログにした次第。
最後に、会えたのは何だったのか?
「避妊したオノミチ。結ばれない二人。他の人を選ばざるを得なかったわた子。最後に一目会いに来たか。なんて…」そんなことすら考えます。
おそらく、子供も生めぬまま、捕らわれたのかもしれません。
また、逆にオノミチに会いに来たから、捕らわれたのかもしれません。
もしかしたら、最後が分かっていたか?
思えば、
春の出会い~夏の別れ~冬の再会・永遠の別れ。なんてことなのでしょうが…。
辛がってたのは、結果、僕だけで、家族も当たり前に「何が?」て感じな上、「オノミチ」は、自分は野犬として紙一重なクセに、地面の匂いを嗅ぐのに一所懸命な日々。
捨てられた犬のある一つのケース。
長田
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