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先日発生した「東日本大震災」に端を発した節電という行為・呼び掛けを通し、
「住宅建築」を考えてみる。

近年の住宅が、得てして向かっている、その先のキーワードと言えば・・・
高気密
高断熱
外断熱
認定品 等々

立ち返ってみる。

「高気密・高断熱」の家、というのは、結果として、認定品の窓・認定された断熱工法を主流に構成されるが、何から高気密・高断熱かと言えば、外部の気温や状況であるのだが…決定的な条件として、エアコン効率を上げる意味合い…逆説的に言えば…エアコンに頼る家であるということ。
尚更、ペアガラスや認定サッシ等の予算、断熱性能の問題から自ずと窓は小さくなる傾向があり、プライバシーとは別の意味合いで、外部環境との接点も希薄にしていく。
同時に、かつ逆に、年間の6ヶ月以上をエアコンに頼るという状態を作りだしやすい。

「外断熱」という考え方も、コンクリートの構造を相手にした場合は、一定の蓄熱効果を発揮し、考慮に値するが、木造・鉄骨の場合、外側で断熱すると言う発想は、内部間・部屋と部屋の空気の流入が起きるため、前提として、全室・全館冷暖房を必要とする。

高気密・高断熱・外断熱 = 過ごし易い…
というのは、結果として、エアコンに頼るが故、そうであって、当たり前のことでもある。
でも、何かを見落としている気に。

大半の日本の風土を考慮しても、本来は…個人的にも…冬の夜・夏の昼…実質3ヶ月は…窓を閉め切ってコタツで丸くなっていたい、エアコンの風に吹かれたい…なんて思いますが、では、残りの実質9ヶ月は?。年間の4分の3…どう過ごすか。


ここで、
日本先人たち、古家についてだけ、触れてみたい。
昔の住宅は、冬の寒さを切り捨て…夏の過ごしやすさをベースに家がつくられた。
南北に庭を取り、大きく開口し、南北に風が流れぬける。
水を打てば、風が起きることも知っていた。湿度のある中庭も同じ。苔の文化も並んで同じ。
冬の寒さを当たり前のように切り捨て、日差しに頼りつつ、2枚目の障子で少しの寒さを凌ぎをし、雪が降れば、雪を見ようと、雪見障子を開ける。
素敵な「割り切りの文化」が根底に流れている。

…はず…。

今、高性能の設備もある現在に同じことを求められているかという訳ではない。ただ、しない・必要ないなんて思ってるわけでは全く無いが、キーワードによりかかる必要も無い。
高気密高断熱でもないが、アクティブに外部環境に向かえないものが現在の日本の住宅の大部分を占めているのが、問題なだけでもある。どこに向かうべきかは、建築に携わる人すべての正しき冷静な見解・バランスが必要なのだろう。

節電や停電。住宅と言う側面から思うと…
サバイバル性なんてどこにも無く、単にミニマムなだけ。

外部環境も建築要素。

長田                
人気のキーワード。仕事減ったりして…。

でも、本日のプレゼンで一部、施主とした話。  
高松市生島町の海を見下ろす高台の家。

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