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宮脇町で施工中(一年半経過・・・)集合住宅・連層長屋、ぐりんど。

上部2層の屋上緑化工事が始まっております。
緑化自体の性能は申し分なく順調と言えるでしょう。
緑化は今までの経験をもとに…植原建設・監督…常務と協議し、
新たな工法にチャレンジしております。
「新たな工法」と言っても・・・実はよりアナログな方法に回帰し、システムと言われるものを採用せず、純粋に土の力に頼った・・・ということ。

難しい斜面法面も非常に順調です。


「緑化の性能がとにかく大切なんです。」
 …と、当たり前のことを… あえて、こう書いたのは、
ここに植え込んでいく、植物たち。。。できる限りデザインしない。
…という方法論、ルールをもって行っております。

― 元々森であったこの場所、裏山の環境をそのまま「呼びこんでくる。」。 ―

鳥や昆虫が運んでくる種、植物が純粋に発芽・成長できる充分な環境を作り出すこと。
どうしても屋上緑化という工法上、一旦、シート状の芝を張らざる負えないが・・・
あえてシート状のそれを基盤として利用した、「これから」への道筋。

植栽は、緑化に特化したものや、庭として綺麗に出来上がる植物を選定することは出来る。また、買ってきたものは、根がきちんと成長しているため、経過が順調なこともわかってはいる。

ただ、この敷地に於いては、
場所性にきちんと寄り添った…人工物のような庭、緑でもない・・・事柄を大切に。
山と道路に分断され、造成を繰り返し、危うくも住宅地として成り立ち続けようとしている「この場所の記憶」とも繋がっていける状況をつくろうと思っている。


 
  初期導入として、
シート芝の隙間隙間に、山に入って採ってきた、小さくも様々な植物を、それが生えていた場所にできるだけ近い 環境へ植え込む。

湿度の高い法面に生えていたもの…
日当たりのきつい場所に群がっていたもの…
 ずっと日陰の場所にも生えていたもの…
植物のつくる陰に、 生えている植物の更に下に生えている植物…。
木々の根本にのみ群生すもの…

木々に関しては、抜くことはできないため、山に入って品種を調査、種の数のバランスを計りながら選定、植栽してます。峰山にはクヌギ、コナラ、カシ、アオダモ、ニセアカシア、が主であることがわかる。上記三種はドングリの木々。
ドングリの木というのも、何種もの木の単なる通称であり、常緑、落葉ですら違い…それぞれ葉っぱの形色、実の形・大きさも違う。


  調査に山に入ると、 森や林というものは、奥へ奥への木々連続だけでなく、上下にも相当数の層状の繋がりで出来ている事にあらためて気付く。、

現況。
現場はこんな状態ですが、ww
ようやく、そこそこ、目途がたってきたと思う。・・・


自然とその場に向いているものがゆっくり成長を続けてくれるでしょう。
そして、いつの間にか山の一部に変わっていく。。。
。。。はず。

山から、一旦抜いて、植栽するというのは、非常に難しく、根まで綺麗に抜けないため、すぐに 枯れてしまうものもある。ただただ、トライし続けます。

完全に日課になってます。これが最近の助手席の常備品。
出社、下山、所々で山に入ります。蚊に喰われます。



植え込みが増えていくと、土が湿度を持ち始め、庭々…が少し涼しくも感じるようになる。
 

空中に浮かんだような…庭々。出来上がろうとしています。
おおっ。おおきな来客。






追記:
山から抜いてきては結構無作為に植えてますが、すべて雑草と言われるものたち。
好きでいっぱい植えてみてるこれ。


「待宵草」マチヨイグサ…
昼間は雑草なだけですが、夕方になると、淡く透明感のある黄色い花を咲かせます。
宵(夕焼け)を待ってるんですね。
植わっている場所では強い草ですが、転植は非常に難しい。


「風知草」フウチソウ…
山の斜面に群生してます。風が吹くとシャラシャラ音がします。
だから、風を知っているということ。


「片喰」カタバミ…「クローバー」…
一般にクローバーと言えば、白詰草ですが、意外と、峰山には自生しているものは少なく、たくさん見かける3つ葉のクローバーは、「片喰」カタバミ。家紋で見かける3つ葉も、白詰草ではなく、「カタバミ」だそう。黄色い小さな花を付けるクローバーがこれ。
夕方には葉を閉じる。・・・ことから、片方の葉が噛まれた・・・が由来だそう。


「露草」ツユクサ…
非常に簡単に植生できる優等生。
朝にだけ青い花を咲かせます。
湿度のある場所に群生し朝露を帯びた時に花を付ける草…ということなのでしょう。


書き出すともっとあるんですが・・・この辺で。

 日々見過ごしている雑草類も深く、面白い。
同時に些細な植物に対しても、その名付けだけで、特徴だけでない情景や思念を思い描くことの出来るような、日本古来の想いの豊かさを垣間見れるんです。

・・・なんかいい気分になれた。

長田


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