
…が、しかし…。
建方と申しましても、今物件は…「手建」。レッカーが使用できず、梁や柱を人力で持ち上げ組み上げていく。2人では持ち上がらないぐらいの大断面の梁や柱を大工さん6人がかりで一本づつ。大工さんからも「20年ぶり」やら「はじめて」やら、声が聞こえる。
少しよろけても大惨事。
見てられない。と言うのが本音でした。
しかし、大工さんには圧巻です。絶対に僕には出来るはずもないことをやってのけている。
「植原建設」様・大工「谷本建設」様に感謝感謝。
少し、建物が小さかったのが唯一の救い。
午前中には終わる予定は、結局一日かかりましたが…。
完成したことが何より。
出来上がってしまうとこんな事は、見えてもこなければ、表現も出来ない。作った者だけにしか見えないキラキラとした大事な物を見せてもらえたようなそんな気がしています。 心配そうに見つめる植原建設・現場監督・常務。
棟上終了後、耐力壁や束の切断の作業を行いましたが、その作業をはじめて30分程でブレーカーが落ち、復旧できないというトラブルが発生、結局、後の作業も「手作業」「手仕事」。すべて電動工具なしの一日となりました。
「昔はこうだった。」なんて冗談ぽく言いながらですが、木軸組が立ち上がっていく姿をみていると、機械や工具も発達した今になっても、「今もこうなんだ。」と…。持ちえる技や懐の深さに感嘆です。
同時に自分はどうなんだろうかと…考えさせられる。結局、道具は全てただの手法でしかなく、過程にしか過ぎない。設計においてパソコンにはじまる3DCADやモデリング、解析ソフトなどのいわゆる道具の発達は、逆にその先にあるべき自分自身、そのより深い部分も露呈させるのかもしれないと。
小手先でなく、何が根付いているかということ。 長田
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